18.「Vertcoin」

はい、今回は「Vertcoin」さんが主人公です。
いつものアルトコイン的なコダワリ(=プラスアルファ)は、

ASICの利用は一切認めません!

です。
怖いですね~ 鬼教官ですね~
まぁ、紙と鉛筆を認めてくれる分だけ、Bitzeny採用の「Yescrypt」よりは優しいんですけどね~

どれだけストイックなんだよBitzeny!

■Vertcoin のキーワード

・非中央集権
・発行数が限られている
・半減期がある
・匿名性が高い
・PoW(Proof-of-work)
Lyra2REv2
・ブロックチェーン
ハードフォーク大好きっ!
ASICは世界と共に滅びると良いと思うよ?

こんな感じですね。
開発者ミッシングじゃないし、とってもフツーですね。

■Vertcoin のbitcointalk.org

昔はここでした。

https://bitcointalk.org/index.php?topic=895020.0

現在はここです。

https://bitcointalk.org/index.php?topic=404364.0

ハードフォークのタイミングで、お引越しをしたようです。

■Vertcoin のブロックチェーン

公式を使いましょう。

https://explorer.vtconline.org/

いつもの「1」を入力すると「10th Jan 2014 04:16:06」が出てきます。
2014年前半、オルトコインのブーム時代生まれですね。

■徹底的な「アンチASIC」

Vertcoinの特徴として「アンチASIC」である点はお伝えしました。
ただし「GPUは認められている」ようです。

Vertcoinのこだわりは徹底しています。
採用しているハッシュアルゴリズムにASICが対応した場合、
即座にルールを変更(=ハードフォーク)して、別の計算式を採用します。

 スタート直後 : Scrypt-Adaptive-N(当時はASIC耐性がありました)
2014年12月 : Scrypt-Adaptive-N → Lyra2RE(Block 208301~)
2015年8月 : Lyra2RE → Lyra2REv2 (Block 347000~)
2017年5月 : SegWit サポート

随分と仕様変更が多いオルトコインです。

■Lyra2REv2

調査してみると、面白い事実がわかりました。

 Lyra2REv2
= Lyra2RE + version 2
= Lyra2 + Reduced Efficiency + version 2

Lyra2RE is a chained algorithm consisting of five different hash functions: Keccak, Skein, Groestl,Blake,Lyra2

つまり、ASIC計算が苦手な5つのハッシュ計算式を直列に計算させ、最後のLyra2で無意味にパソコンのメモリーを大幅に占拠する仕様のようです。

「足し算」「引き算」「掛け算」「割り算」しかできない電卓に対して

「紙を正方形に切り抜いて」
「鉛筆で円を描いて」
「円を黒く塗りつぶして」
「折り紙の飛行機を作って」
「屋上から飛ばして着地するまでの、総飛行距離を報告してね♪」

って無理難題を押し付けるのです。
特に最後のひとつが、頭一つ飛びぬけてヤバいやつです。

Version 2になって、ちょっとだけGPU有利になりました。
なお、やっていることは変わりません。

■「Lyra2REv2」モナコインでも採用

LiteCoinの派生形であった初期モナコインも、ASICに悩まされた時期がありました。

モナコインは「クライアント ver.0.10.2.2」にて、ハードフォークを決定。
 ・ハッシュアルゴリズムがLyra2REv2に変更(※Vertcoin)
・難易度調整アルゴリズムがDark Gravity Wellに変更(※DASH)
・bitcoin-0.10ベース(※Segwit実装がスムーズに行えた遠因)

に変更となりました。

モナコインが「Lyra2REv2」を採用するに至った理由は、ワタナベ氏自らがコメントされています。

http://askmona.org/3583

ーーー
44 :ショーンW五段:2015/09/07 02:08:43 (1年前) +1.21525514MONA/4人

Lyra2REv2はcpuよりgpuの方が有利です。
cpuのみ、またはgpuとcpuが同等というアルゴリズムはボットネットの格好の餌食なので選考対象ではありませんでした。
Vertcoinもまたcpuが有利なLyra2REでボットネットが5割以上を占めたため、gpu有利に改良したLyra2REv2に変更することになった経緯があります。
(Lyra2REv2はX11より最大15%省電力と言っています)

既存のハッシュアルゴリズムを寄せ集めただけでオリジナルを名乗るのも簡単ですが、こうしたチューニングやマイナーソフト等の周辺環境の整備を考慮すると、オリジナルは成果が制作・維持コストに見合わないと考えます。
また、そうしたコストを下げる事ができるのもオープンソースの長所です。

ーーー

■Vertcoin と モナコイン

Vertcoinとモナコイン、技術的には双子のような存在です。

開発者がユーザを引っ張っていくスタイルのVertcoin。
コミュニティの悪ノリ(誉め言葉)によって広まっていくスタイルのモナコイン。
どちらのコンセプトが最終的に良い結果を出すのか?

楽しみですね!

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さて次回。

ライトコインの裏の顔、悪ノリ大好き困ったちゃんな
「DogeCoin」に行きますよ~

「ドゲ」か「ドージ」か「わんこいん」か?
まずはそこから討論開始です!

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