9.「DASH」(その2)
さて「Dash」さん連載、第2回目です。
今回はDashによる匿名性の向上技術について語ります、が、その前に!
■ビットコインって、どうして匿名性が高いって言われてたんだっけ?
・アドレスが個人情報と紐づいていない
銀行口座やクレジットカードの場合は、口座を作る際に身分証明書を提出しますね。
ビットコインアドレスの作成には身分証明書の提出がいらないので、匿名性が高いと言われていました。
2017年4月に日本国内で「仮想通貨法」が施行されました。
この法律の趣旨は「ビットコインアドレスを銀行口座に近づけるためのもの」と考えると理解しやすいです。
ビットコイン資産と個人情報が紐づく見返りに、銀行口座と同様に資産が(ある程度)保証されるカラクリです。
世間で言われているほどネガティブな材料ばかりではありませんよ?
■話を元に戻して
ビットコインの場合は
「送信元と送信先の資金の流れは残るが、アドレスの持ち主が特定できない」
という実装を以て「匿名性が高い」とされていました。
――――――
さて、今回の主役、DASHさんです。
「送信元と送信先の資金の流れもわかんないし、アドレスの持ち主も特定できない」
という実装を以て「匿名性がすっごく高い」を実現しています。
なんだよ、その超絶展開理論!
■コイン送信の仕組み
ビットコインの場合:
[送信] [受信]
Aさん 10 → 10 Xさん
Bさん 20 → 20 Yさん
Cさん 30 → 30 Zさん
はい、フツーですね。
―――
DASHの場合:
[送信] [中継プール][受信]
Aさん 10 → → 10 Xさん
Bさん 20 → 60 → 20 Yさん
Cさん 30 → → 30 Zさん
はい、こーなります。
わかりましたか?
■中間プールにいったん集めて再送信
DASHの場合、送信元と送信先の間に、中継プールが作成されます。
Aさんは「Bさんに送信したい場合は中継プールに10を送る」を実行します。
Xさんは「Aさんから受信したい場合は中継プールから10を受け取る」を実行します。
ほら「匿名性がすっごく高い」が実現されましたね。
この仕組みを「Darksend」といいます。
ちょっと痛いですが、許容範囲内だったのでしょう。
改名されていません。
■「送信から中継プール」「中継プールから受信」のカラクリ
送信元から中継プール宛ての通信は「マスターノード」と呼ばれる特別な中継サーバが行います。
「マスターノード」は、中継プールに関する送信を担う代わりに、手数料の一部を報酬として得ます。
中継プールから資金を引き揚げるのは、それぞれのノードのお仕事です。
このあたりで、2017年から仮想通貨を始めた人はピンとくるかもしれません。
そう、NEM(※後日、解説予定)で実装しているマスターノードとハーベストの概念です。
DASHは2014年からすでに実践しています。
だから早すぎるよ!
時代を年単位で先取りしていかないでよDASHさん!
■即時取引機能「InstantX」について
うん、それは応用編なんだ、もうちょっと待ってね。
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さて次回。
今回のDASHさんがスマートスペシャル腹黒ちゃんだったので、ちょっと息抜きがしたいですね。
あっさりめの話題が良いです。
有名な割には比較的、実装がシンプルな、Moneroあたりに行ってみましょうか!
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